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人間教育とアントレプレナーシップで
生徒に「生きる力」を与える駒込イズム

駒込中学校・高等学校

「一隅を照らす」最先端の教育を実践

今年創立344年目を迎えた駒込中学校・高等学校。仏教的情操教育を基盤とする人間教育に取り組む伝統校だ。ICT教育やSTEAM教育、グローバル教育など、最先端の取り組みにも定評がある。江戸時代から続く学校としての文化を受け継ぎながら、AIを生かした学校づくりに取り組む河合孝允校長の思いとは―。


―御校の特色を教えてください。

生成AIが急速に進化する中、人類はまもなく「超スマート社会」へと移行します。その引き金となっているのが、汎用人工知能・AGIの出現。「AGIを制するものが世界を制する」ことが、未来社会の基軸になっていくでしょう。そんな時代に向かって、子どもたちが「生きる力」を身につけられるように、「10年先を生きる教育」を実現していくことが学校の使命だと考えています。

本校は1682(天和2)年に設立された勧学講院を前身とする、340余年の歴史ある学校です。仏教系の学校として、「一隅を照らす人間の育成」を教育目標に掲げ、慈悲の心を大切にする人間教育に取り組んでいます。

仏教行事が多いことも本校の特徴です。高1の比叡山研修では大自然の中に身を置き、坐禅や写経などの修行体験を行います。仲間とともに自分自身の限界に挑みながら、自己に気づいていく貴重な体験になっています。

―最先端の教育にも定評があります。

この10年間、様々な改革を行ってきました。先進事例校として高い評価を受けているICT教育をはじめ、グローバル教育やSTEAM教育など先進的な学びを導入。10年先の日本について考えながら、誰もやらないからこそ、自分がやるという意志を持って時代を切り拓いていく「アントレプレナーシップ(起業家精神)」を持つ生徒を育てています。

河合 孝允 校長

STEAM教育は高校の理系先進コースの教育に生かされています。理系先進コースでは、「埼玉大学STEM教育研究センター」と連携した探究活動を行っています。探究活動に必要な見方や考え方、伝え方を習得するカリキュラムがあり、自分のやりたいことに積極的に取り組んでいる生徒が大勢います。また、国際教養コースは、多くの授業で発表やディベートを取り入れ、世界で活躍するための多角的な視点を養っています。特S/Sコースは多様な進路に対応したカリキュラムのもと、生徒の学力と個性、可能性を最大限に高めています。

希望する進路をイメージしながら、各コースで目標に向けて着実にステップアップ。新しい価値観、世界観を育み、確かな未来への歩みを進めています。

世界で活躍する力と日本を世界に発信する力を身につけるグローバル教育にも取り組んでいます。オセアニアを含むアジア・太平洋地域での教育を強化し、語学研修や留学制度、英語キャンプなど多彩なプログラムを実施。4技能を徹底して磨く英語教育にも力を注いでいます。

―生徒たちは様々な分野で活躍しています。

理系先進コースでは、日本化学会主催の「化学グランプリ2026」において、高3生が大賞を受賞しました。また、探究活動では、「SDGs QUEST みらい甲子園」の都大会で最優秀賞、「東京都高等学校理科研究発表会」の生物部門では審査員特別賞を受賞しました。「高校生モノづくり・ことづくりプランコンテスト」では銅賞を受賞。「中高生探究コンテスト」の困りごと部門ではセミファイナルに出場しました。

クラブ活動も活発で、各種大会で成果を挙げています。高校の和太鼓部が今年、関東大会で3位入賞。中学は都大会で優秀賞を受賞しました。柔道部は、関東選抜大会予選で団体3位、インターハイ女子軽量級でも3位になりました。また、高校サッカー部は「地区選抜U16研修大会」に部員5人が選抜され、そのうちの一人が優秀選手に選ばれました。

本校は平和教育にも取り組んでおり、国際教養コースの有志チームが「あちこちのすずさん(戦争の伝承)」に関する活動を始めて7〜8年になります。戦後80周年の節目の年になった昨年、他校と一緒に「平和と戦争シンポジウム」を開催。研究成果を発表し合いました。今年は、大学も交えて行う予定です。また、「タイスタディーツアー」では、「制度と人をつなぐ取り組み」に高校生が参加。タイの貧困層の子どもたちを支援する活動を行っています。

こうした様々な体験をもとに、生徒たちは大学進学や将来の進路を決めています。探究やボランティアの活動が人生観を変え、世界の子どもや人々を支援する仕事に就く卒業生も目立ちます。

―受験生や保護者に向けて、メッセージをお願いします。

本校は、生徒個人が生まれ持っている「華」を大切にしています。どんな子どもも神仏からの授かりものであり、大切な社会の宝物です。わが子への愛おしさが普遍的であるように、学校もまた生徒への慈しみの心をもって、教育に携わるべきです。子どもたちは「未来からの来訪者」。本校はその受け皿・推進校として、子どもが「なりたい自分」になれるように、全力でサポートしていきます。

やりたいことや熱中できるものに出会えたら、そこからさらに羽を伸ばして、視野を広げていくことができます。駒込には図書室や、部室、特別教室、談話室、自習室など、自分探しができる「秘密基地」がたくさんあります。本校で個性あふれるたくさんの友人と出会い、未来を切り拓いてほしいと思います。

取材日:2026.8.28