進む教育改革。体験と学びがつながる教育と希望進路に応じた
学習サポートで「学びへの興味を育み、なりたい未来を創造する」

東京家政大学附属女子中学校・高等学校

学園創立145年の東京家政大学附属女子中学校・高等学校。中学では2024年、高校では25年から学校改革を進めている。併設の東京家政大学との高大連携にも力を注いでおり、内部進学者が増加傾向だ。どのような教育を行っているのか。その取り組みや併設大学に隣接する環境などについて、中学校・高等学校の荒籾和成校長と、東京家政大学の井上俊哉学長に話を聞いた。


25歳の未来を描く学び

東京家政大学附属女子中学校・高等学校は今年、学園創立145年を迎えた。建学の精神「自主自律」、それを実現するための生活信条「愛情・勤勉・聡明」のもと、学園の伝統を継承しながら教育改革を進め、変化の大きい時代に未来を切り開いていく女性を育成している。2026年度から校長に就任した荒籾和成先生がこう話す。

「生活信条にある"愛情”とは相手を尊重する気持ち。それが行動として表れるのが"勤勉”です。そして、どんな行動をするべきかを考えていくのが"聡明”。この三つを学園で学び、実践していくことで自主自律を体現する人生を歩んでほしいと思います」

同校の教育の核となっているのが、「25歳の理想の私」を実現するキャリア教育「ヴァンサンカン・プラン」だ。義務教育や大学進学を終えて社会で活躍する年齢である25歳を節目として捉え、職業調べや「25歳の私」作文、OG講演会などを通して、自分らしい将来像を段階的に描いていく。

そのもとで、三本柱による教育を実施している。一つ目の「未来ひろがる体験」では、学校行事や国際プログラムを通して視野を広げていく。二つ目の「未来創造プログラム」では、創造的・協働的な学びを通して、学ぶ意欲を引き出す。中学では24年度から「クリエイティブラーニング」を導入し、その一環として併設大学のピザ窯を利用したピザづくりに取り組んでいる。調理に至る過程で、国語や理科など8教科を横断して学習することで、教科同士のつながりや知識を実践することの楽しさに気づき、学びへの興味を広げていく。

また、中学では25年度から世界とつながる力を育てる授業「GCP(グローバル・コンピテンス・プログラム)」を導入。英語を使ったグループワークを通して、社会課題や自己理解、背景が異なる多様な人々と協働することなど、様々なテーマについて理解を深める。26年度からは高校でも導入が始まっている。

「生徒からは物事を多角的に捉えられるようになったという感想があり、手ごたえを感じています。身の回りのことに目を向けて、自分の領域を広げていく教育は、生徒の学びと成長につながっています」(荒籾校長)

三つ目の「未来実現プログラム」では、学習習慣の定着から希望進路の実現までを支える。学習の振り返り指導や大学生のチューターが常駐する自習室の設置など、学校全体で学習習慣の定着に力を入れているほか、25年から高校では希望進路に応じたコース制を導入。SA(Super Advanced)コースでは、国公立大学・難関私立大学の現役合格が目標だ。CL(Creative Learning)コースでは、東京家政大学を含む私立大学進学を目指す。中学も 「Advanced(特進)クラス」「Standard(進学)クラス」に分かれて、将来の進路に応じた学びを展開している。

荒籾 和成校長

附属の強みを生かしながら多様な進路実現をサポート

併設大学が身近にあるメリットを生かして、高大連携も推進している。中学から大学の学びに触れられる「家政大学体験月間」や高校向けの模擬授業、オープンキャンパスなど、大学での学びや学問領域に触れるイベントを数多く開催している。大学も連携に前向きだ。東京家政大学の井上俊哉学長がこう話す。

「将来進みたい分野が定まっておらず、イメージだけで進学する学部を決めてしまう生徒もいるようですが、入学後のミスマッチを防ぐことや、興味のある領域を探す意味でも、早いうちから大学の雰囲気を体験できることはプラスになると思います」

また、大学図書館など、大学の充実した施設・設備を利用できることも魅力だ。今年大学に竣工予定の「140周年記念館」には、学園の資料を展示した博物館が移転されるほか、3Dプリンターなど最新の設備が整う。中学・高校の生徒も利用できるようだ。

一方、併設の東京家政大学は各種国家試験に強い大学として定評がある。時代の流れに合わせて、学部改革を実施。26年には「社会デザイン」「文化情報」の2つの学環を新設し、学生が自由に意欲的に学べる環境が整った。併設大学への内部進学は約4割で、年々希望者が増えている。

国公立大学など外部の大学への進学も意欲的にサポートしている。26年度は、国公立大学に5人合格。年内入試や後期試験など多様な入試方式に取り組む学生を応援し、教員が一丸となって指導している。

受験生や保護者に向けて、荒籾校長と井上学長がこう語る。

「学ぶ意欲を育てる教育プログラムに加え、大学の学びが身近にあるところが魅力です。安心して主体的に学べる環境を用意しているので、ぜひ一度見学に来てほしいと思います」(荒籾校長)

「附属中高を視野に入れている受験生や保護者は、その先の大学も意識されていると思います。高校卒業後、入学していただけるように、学生の幅広い興味に応える学びを準備してお待ちしています」(井上学長)

多様な体験と学びの機会や充実した環境が学ぶことへの興味を育て、生徒の自己実現を後押ししている。

最後に受験生や保護者に向けて、こうメッセージを送る。「本校には生徒が自ら考え、将来を切り開くチャンスが数多くあります。今後は体験学習の場がさらに広がり、自分の未来を描ける環境が整っていきます。ぜひ一度お越しいただき、本校の学びに触れてください」(荒籾校長)

井上 俊哉学長

取材日:2026.4.15