やりたいことに思い切り打ち込める環境が
自分自身を成長させ、部活動を発展させた!

獨協中学・高等学校

1883年の創立以来140年以上の歴史と伝統持つ完全中高一貫の男子校である、獨協中学・高等学校。自由な校風のもと運動部・文化部ともに活動が盛んで、数々の名物クラブが存在する。その中で2022年に同好会から部に昇格した英語ディベート部は、ここ数年世界大会への出場を果たすなど大きな成果を上げている。今回の座談会では、顧問を務める英語科教諭の藤田麻友美先生のもと歴代部員である卒業生4名(余田蒼さん、野口千尋さん、大塚碧さん、池田燎世さん)が集まり、英語ディベート部のあゆみと、活動を通した自身の成長について振り返った。


―まずは英語ディベート部との関わりと併せて、簡単な自己紹介をお願いします。

余田 2019年度卒業生で、現在は金融機関でコンサルタントをしています。高校生の時に、もっと英語に関わる活動をしてみたいと思っていたところ、先生に英語ディベートを勧められて仲の良かった友人5名と活動を始めました。初めて出場した大会では何もわからずボロ負けしましたが、逆にそこから英語ディベートのおもしろさにはまり、昼休みなど集まって熱心に練習するようになりました。

野口 2022年度卒業生で、現在は学習院大学法学部4年生です。英語が好きだったので、先輩から誘われて確か中3の時に英語ディベートの活動に参加し始めました。初めての中学生メンバーだったそうです。高校時代はコロナ禍で思うように活動ができない中、自分にできることを考え、オンラインで海外の学校との交流会などを始めました。

大塚 2023年度卒業生で、現在は獨協医科大学医学部3年生です。英語が得意だったこともあり、中3の時に先生に声をかけられて活動に参加しました。僕たちが高1の時に同好会になり、大会でも成績を残すようになると、中学生がたくさん入部しれくれて、卒業前には部にも昇格しました。受験勉強の合間に中学生にディベートのやり方などを指導しました。

池田 2024年度の卒業生で、現在は名古屋工業大1年生で建築を学んでいます。同好会から部に昇格するには部員数や活動実績だけでなく署名なども必要で、藤田先生と一緒にいろいろ頑張った思い出があります。高2の時に部に昇格しました。ただ、部に昇格したもののまともな活動場所がなかったので学校に直訴して、今の活動場所を勝ち取りました。

藤田 最初は5名からスタートした活動が、今は中高で70名ほどが所属する賑やかな部になりました。それもすべて、歴代の部員が海外大学に進学したり、大会で立派な成績を収めてくれたり、海外の学校との繋がりを作ってくれたりしたおかげ。新入生が憧れる部の一つになりました!

左:余田 蒼さん/右:野口 千尋さん

野口 仲間集めに苦労した有志団体の頃からすると信じられないですね。

余田 規模はまったく変わりましたが、不思議と部の雰囲気はいい意味で変わっていなくて、嬉しいです。

英語ディベートを通してさまざまなことを学ぶ

―英語ディベートの活動を通して、成長したと思えることや、仕事や学びに役立っていることはありますか?

余田 英語ディベートでは、論理立てて話す力がついたと思います。相手の言葉をしっかりと聴いて、考えたうえで自分の意見を言うというプロセスは、イギリスの会社で上司と英語で話す時はもちろん、今、日本のクライアントと日本語で話す際にも役立っています。また、英語についても教科書で学ぶよりも実践的な英語力も磨くことができました。

野口 やりたいことを見つけ、全力で取り組めたことです。それまで自分は何事にも消極的で自分の意思で行動することがありませんでした。けれど、コロナ禍で活動が制限される中で、「何かしたい!」という思いが込み上げてきて、台湾の学校とのオンライン交流に取り組みました。その中で少しでも相手に日本の文化を伝えようと、観光地を紹介する動画を自分でつくったこともいい思い出です。

大塚 英語ディベートの大会では、相手に思いがけない論点を突きつけられるなど窮地に陥ることもよくありました。そこで焦ると自滅してしまうので、平常心を保ちつつ必死で対応を考えて乗り切るのですが、そうした臨機応変に対応する力が身についたと思います。あと、焦っても顔に出さずに落ち着いて対応する度胸。面接で絶対に役立つスキルだと思います。

池田 僕は世界大会などに出場した際に、いろいろな国の人と交流する機会があったのですが、そこで民族や文化というバックグラウンドが異なると、価値観や考え方もまったく異なるということを学びました。また、自分の考えを的確に言語化できるようになりました。

左:池田 燎世さん/右:大塚 碧さん

歴代の部員が切り開いてきた英語ディベート部のあゆみ

―藤田先生から見た、歴代部員の思い出を教えてください。

藤田 余田さんは一見飄々としていますが好奇心の塊で、やりたいことになんでも挑戦していました。急に「世界大会の予選に出場します」と言われた時には、欠席の扱いをどうすればいいのかわからず右往左往しました(笑)。英語ディベートの世界大会出場や日中青年会議への参加、海外大学への進学など、道を切り開いてくれた英語ディベート部の原点となる生徒です。

余田 藤田先生をはじめ、どの先生もやりたいことを決して止めず応援してくれたことが、今の自分につながっています。ありがとうございます。

藤田 野口さんは先ほど自分で積極性がなかったと言われていましたが、逆に言えば何かを頼むと必ず引き受けてくれる、優しく気のいい生徒でした。英語ディベートの活動として国際交流に力を入れるなど、活動の枠を広げてくれた功労者です。

野口 あの時にやりたいことに全力を尽くす楽しさを知って、自分が「変われた」という手応えがありました。

藤田 大塚さんは、とにかく英語ができる生徒として教員の間でも有名でした。周囲を巻き込む力もあり、部長として活動を大いに盛り上げてくれました。文化祭では素晴らしい展示を作り上げてグッドデザイン賞を受賞。以来、賞の常連になっています。

大塚 文化祭に来場した受験生に夢を書いてもらった星を飾っていく展示は思い出深くて、今でもスマホに画像を大切に保管しています。

藤田 池田さんはおしゃべりが大好きなムードメーカー。正論で押し切る統率力のある部長と、愛される人柄で部員をまとめる池田さんとは絶妙なコンビでした。相手の思っていることを汲みとる力がすごく、教員として助けられたこともたくさんありました。

大塚 僕が部長の時も、後輩の池田君の存在に癒されていました。

池田 僕はしゃべることが大好きなだけですけど、褒めてもらえて嬉しいです!

藤田 麻友美 先生

取材日:2026.9.19